- 2012/12
- 04
秘湯めぐり6 壁湯温泉「福元屋」
秘湯めぐり
予約のなかなかとれない壁湯温泉「福元屋」に泊まることができました。九州の温泉誌ではいつも上位なランクされている「日本秘湯の会」の温泉宿です。5年前に部分改装し、部屋数が9室とこじんまりとした湯宿です。
この宿の自慢は何と言っても、御主人が手掘りの川に面した壁湯です。仲居さんの話だとその量は毎分バケツに70杯だそうです。大水が出て浴槽が浸かることがあるそうですが、掃除をするために水を抜いてもすぐ一杯になるほど湯量が豊富だそうです。深い所では1m近くありますが、本当に石がゴロゴロ転がっている水底が透き通って見えます。
駐車場から宿泊棟までは30m程の階段を降りますが、その道の趣きが素晴らしいです。初冬のたたずまいが随所に感じられました。私はこの玄関までのアプローチが一番好きです。
玄関を入ると、アンティークな小物や民芸品が上品にレイアウトされています。廊下や階段の板は黒光りがし、歩くとキュキュと音がします。トイレは共同トイレになりますが、部屋の窓から小国川に映る木々が実に見事です。新緑、紅葉の季節はさぞかし美しいだろうと思います。
食事処は1Fの大広間で、純和風の料理が並びます。少人数の宿のため、いいタイミングで温かい料理が運ばれてきます。豊後牛の陶板焼きは塩で食べたら絶品です。ごはんは「香り米」といって「ひとめぼれ」という品種です。すべて完食です。
風呂はこの壁湯(混浴ですが女性は湯着OK)と女性専用の洞窟風呂、家族湯が一つ、そして内風呂も家族湯として使うことができます。壁湯は加温をしていないため35℃です。その湯に40分浸かると風呂から上がった時、身体がほっほっと温まるそうです。今回は20分程しか入らなかったり、外気温が低くかったりしたため、少し寒かったです。また川のすぐ縁に石をくり抜いてできた小さな湯船がありましたが、ここは夏は最高だと思います。一泊12,000円、リピーターになります。