農園ブログ

名山旅歩記

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2011/10
08

還暦かんちゃん「大雪山縦走2011」第2話
名山旅歩記

子ども達が小学生の頃、一緒に黒岳、赤岳、旭岳、トムラウシ、白雲岳をそれぞれ登っていましたが、退職を期に時間も自由になり、この夏、念願の大雪山の縦走に出かけました。

第1話 『岡山→舞鶴→小樽→滝川SA→旭山動物園→層雲峡→黒岳石室』
第2話 『北海岳→旭岳』
第3話 『大雪山で出会った高山植物』

7月23日(北海岳→旭岳)

03:00
周囲がガサガサと音がし始めた。
「まだ、3時頃だし、ヘッドランプをつけて夜明け前に出発する人達だな。」
と勝手に思い込み、さらに30分程横になっていた。
失敗!夜明けだった。
7月中旬の岡山の日の出は5時。
経度の関係で北海道の夏の夜明けは、岡山より1時間も早い4時前だった。
慌ててカメラと三脚を持って石室を飛び出すと太陽はすでに山際を離れていた。
露出を設定する間もなく、あせってオートモードでシャッターを押し続けた。
やがて桂月岳(15分)に登ってご来光を見に行っていた人達が「きれいだったな。」
と言いながら下りてきた。
山頂での夕陽、ご来光を撮るために重いカメラとレンズ、
そして三脚を背負って来たのに、不覚、後悔。

05:00
コンビニのむすびとバナナで朝食。
山小屋の脇のテントのメンバーは大きいザックを背負いトムラウシに向かう。
私たちも5時30分、出発。妻はUターンして黒岳ロープエーへ。
下山後、車で旭川へ移動し、旭川温泉ロープェーで合流する予定。
私は高山植物が多い北海岳コースで旭岳に向かう。
同宿のグループの多くは北鎮岳コースのようで、見渡す限り人の姿はない。
大雪山を独り占め!本州の山では味わえない贅沢。
壮大な自然を一人だけで占有したような幸福な気分に浸りながらお花畑の中を歩いた。
エゾノツガザクラやチングルマ等の群落は今が見ごろ。
シャッターチャンスの連続だった。

高低差のない縦走道を20分ほど歩く。後ろを振り返ると黒岳山頂が遠くなった。

05:50
赤石川到着、こんなに高い山の上に驚くほどの水量の多い川。
御鉢平から流れ出て、雪解け時や降雨後には増水して渡るのに苦労をするそうだ。
今日でも飛び石を探して渡るのに苦労をする。
このあたりは美ヶ原と呼ばれるそうで、高山植物の群落が続く。
明石川を渡り、北梅沢まで来ると大きな雪渓に出会う。
07:00
くじゃく岩。左手の山際に遭難者の供養塔があった。
07:30
北海岳山頂、石室からは2時間、
写真を撮った分だけ、予定時間より20分ほどオーバーしている。
右手正面に北鎮岳が裾野まで見える。このあたりは緑が少なく礫岩ばかりの登山道。
右側に爆裂口のカルデラを望ながら、松田岳、間宮岳となだらかなお鉢めぐりが続く。
時折、風にのって有毒温泉から立ち上る硫黄の匂いがする。
08:30
間宮岳分岐、広い平原のような場所でピークがわからない。
ここから旭岳に向かって下りが続く。
がれきの中にコマクサやエゾツツジのお花畑が現れる。
しばらくガレ場を進むと正面には裏旭が見えてきた。
中央に雪渓が大きく広がっている。よく見ると人行列が見える。
裏旭キャンプ場まで下って来ると出会う人が多くなった。
始発の旭岳ロープェーでやってきた人達だった。
70才前後と思われるグループの人達と出会う。
これから私が来た縦走路を逆走するそうだ。どうやら日帰り縦走のようである。負けた。
麓のキャンプ場では何人かがテントを設営していた。
裏旭岳石室からは最後の登り。小石のザレ場で滑って登りにくい。
ここに来て右足の登山靴の底が剥がれてしまった。パタパタと音がする。
買って5,6年になるが、大事な時なのに・・・。歩きにくいので靴底を引きちぎった。
かかとがないのでつま先を立てて慎重に雪渓を登った。
右手の雪渓を一気に滑り降りているグループがいる。気持ちよさそう。

10:10
石室を出発してから4時間40分、やっと旭岳山頂に到着した。
のんびりと写真を撮りながらの縦走だったので、意外に疲れはない。
360度の展望を楽しむ。
今日は夏休みに入って最初の土曜日のためか家族連れの多く、
山頂は人でいっぱいだった。
地獄谷からは煙が立ち昇り、右手の硫黄岳も屏風部分がくっきり見えた。
20年程前の前回の旭岳登山は雨で視界が悪かったが、
今回は素晴らしい展望で大満足だった。
最後のパノラマを満喫して下山。
ガレ場が続き、落石を起こさないよう注意をして進んだ。
金庫岩あたりからさらに登りの人が多くなり、なかなか先に進めなくなった。
普段着のまま登ってくる人もいた。ヘリコプターが近くを旋回していた。

12:00
姿見の池に到着、今日、石室からの所要時間は6時間30分、ほぼ標準タイムだった。
黒岳温泉に下山した妻と旭岳ロープェー乗り場で合流した。
撮影枚数、450枚、好天に恵まれ、念願の縦走を終えることができた。

第3話 『大雪山で出会った高山植物』へ続く


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