農園ブログ

名山旅歩記

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2013/07
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標高年(2013年)東大雪最高峰ニペソツ(2013m)登山
名山旅歩記

 

東大雪の最高峰ニペソツ山は今年、標高年です。アップダウンの多い、下山も登り返しのある厳しい山ということでしたが、「今年がチャンス」と挑戦してみることにしました。前日に大雪を縦走したばかりなので体力を心配していましたが、11時間30分、厳しかったけど感動いっぱいの山登りとなりました。

< 登り>

杉沢登山口—–小天狗——前天狗——-天狗岳——ニペソツ山

3:50              5:40           7:10          7:45            9:20

<下り>

ニペソツ山——天狗岳——前天狗———-小天狗———杉沢登山口

9:45      11:00   11:30            13:00           14:20

 

2013年7月20日(土)

3時30分、車中泊の窓越しに見る外の景色が白んできた。(北海道の日の出は岡山より1時間早い4時30分) あわてて車から出るともうすでに登山口には数人の人影。急いで身支度を整え、3時50分、登山開始。まず最初の関門は十六ノ沢川にかかるエゾ松の丸太越え。まだエンジンのかかっていない身体なので4点歩行で慎重に渡る。

  

登山口前の駐車スペース         十六ノ沢川に渡されたエゾ松の丸太橋

登り始めて5分、「コンコンコンコン」、姿は見えないけどキツツキ(クマゲラ?)が木を叩く音が聞こえる。北海道だなあとワクワクしながら樹林帯の坂道を歩く。登山口から1時間は展望の利かない樹林帯。途中、何箇所か登山道にエゾ松の倒木があり、下をくぐって進む。森林限界あたりまで広い尾根歩き。

  

登山道をふさぐエゾ松の倒木          小天狗下の大岩

5時40分、小天狗をトラバースして東の大岩に出る。ここは足場も手をかける岩もわずかで、少しでもバランスを崩すと落下する危険な場所。前のパーティ―から「お先にどうぞ」と言われ、道を譲られたものの、へっぴり腰でなんとか通過する。

この先は高度差のない山道。エゾ松の樹林帯が切れ、左手にウペペサンケ山が見えてきた。石狩連峰の山並みを眺めながら気分良く進む。シャクナゲが咲いている小さなキャンプサイトからは緩やかな登りになった。ここからの登山道は狭く、夜露に濡れたクマザサでウエアも濡れる。6時20分、急に視野が開けた。石狩連峰の大パノラマ。登り始めて1時間30分、ここで、朝食休憩。後続者もみんなここで休憩をする。空気がうまい。

ここから前天狗まで雪渓の美しい大雪連峰を眺めながら歩く。ガレ場とハイマツ帯の登りだったが、ハイマツは全部、積雪のため横に伸びている。  

ニペソツが見える小天狗まであと10mになった。いっぺんにその姿を見ようと頭を下げて登る。「10,9,8・・・3,2,1」、頭を上げると天狗岳のはるか向こうにニペソツの雄姿があった。独立峰ニペソツに感動!このコースのハイライト。

天狗岳の遥かむこうにそびえるニペソツ

学生のテントが二つ張られていた。ここから見る日の出、日没のニペソツはどんなに素晴らしいだろう。この場所はケルンや簡易トイレもあり、結構、広い。

  

ニペソツは天狗岳の遥か先。体力の心配もあったが、今年は標高年、ここであきらめたら絶対に後悔が残ると思い、何枚か写真を撮ったらすぐ出発。

下から眺める前天狗のガレ場

縦走路の先の下りの岩場は、登山道がはっきりせず、赤いマークのリボンを探しながら下る。この岩場はトムラウシの頂上あたりの様子と似ている。7時40分、天狗平の登りの岩場にさしかかると動くものを発見。ナキウサギだった。ラッキー。急いでシャッタ―を押す。体力温存のため、望遠を持ってこなかったのが残念。    

そこからは昨日、登った大雪の白雲~赤岳、そしてトムラウシに続く大パノラマ。天空トレイルを満喫。

 

  

天狗のコルの南側の砂礫帯は崩れ落ちていて危険。

そしていよいよニペ最後の急峻な登り、標高差300m。下山してくる人に聞くと頂上までは小1時間だそう。疲れてはいられない。山頂に人影が見え、最後の元気を振り絞る。

 

  

ニペソツの頂上に人影が見える        山頂北側はお花畑

 

9時20分、とうとう憧れのニペの頂きを極める。頂上は狭いが360度の眺望!十勝連峰、トムラウシ、表大雪、石狩連峰、ウペペサンケの山々。正に至福の時。三股山荘のオーナーの話では1週間前にはラウス岳が見えたそうである。記念の写真を撮ってもらい、昼食のむすびをほおばる。

  

  

  

  

9時45分、25分の滞在で下山を開始。ニペの下りは登り返しがあるため、登りとかわりないほど時間がかかる。下山を早めたもう一つの理由は水が少なくなったこと。残りはペットボトル半分程度。のんびりしていたら水切れでダウンしてしまう。昨日の登山はペットボトルが2本余ったので、少しでも荷物の重量を少なくしようと、今日は半分に減らしたところ、きつい登りと暑い日射しに思った以上の水を飲んでしまった。(やはり夏山は2リットルは必要)

 

ニペソツから見る天狗、前天狗

前天狗への30分の登りは1口だけ口に含み、飲み込まず、水の消費を減らすよう努めた。前天狗も休憩なしで下る。小天狗でいよいよ水が尽きた。

大岩は登りの時にはなかったロープが渡されていた。後で東大雪自然ガイドセンターの人に聞くと、10時頃に職員の人が安全対策用にと張ったそうである。少しゆるい感じがしたが、これがあると大助かり。

  

急がずマイペースで下るが、どんどん後続の人に抜かれていく。唇が渇いてきた。久しぶりの感覚。ここで倒れたらシャレにもならない。川の流れる音が聞こえてきたが、一向に登山口に辿りつけない。14時20分、やっとのことで杉沢登山口に到着。車の冷蔵庫の中の水を一気に飲む。1リットル近く飲んでも飲んでも乾きがとれない。かなりの脱水症のようだった。

一息ついて車で山を下る。今日は車の数がすごい。昨夜は6台だったが、今日は土曜日なのでかなり下まで駐車をしている。登山口から2,300m下まで車があふれていた。(登山口にUターンのスペースがあり、駐車はここで方向転換して林道に縦列駐車) 登頂証明書をもらうため自然ガイドセンターに行ったところ、今日は70台だそうである。1週間前の海の日の3連休は100台だったとうこと。糠平湖の「元湯」(600円)で汗を流した。体重計に乗るとあれだけ水を飲んだのに昨日より1kg減、すごいダイエット。

PS

登山口となる杉沢までは国道273号三股よりダートな林道8km25分。対抗車をかわすスペースは少ない。

 

 


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