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2015/08
01

高石ともや「那岐山菩提寺コンサート」
農園便り

今日も猛暑日、標高700mの菩提寺の駐車場も自宅と一緒の暑さ。

樹齢700年の大イチョウの前で高石ともやのコンサートです。

 

ステージはなく、ブルーシートの前に2本のマイク。

最前列を確保しました。

開演10分前にそのマイクの前にすたすたとギターを持った人が現れました。

高石ともやさんです。

きさくに話をしながらチューニングと音響テストです。

 

笠木町長、渡辺県議の挨拶に続いて高石さん再登場。

「人は誰もただ一人、旅に出えて~♪」、「風」からスタートです。

「風に吹かれて」「イマジン」は自分の訳詞でした。

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コンサート前半は「西国33ケ所めぐり」の話でした。

高石さんは何年か前にNHKBSで西国の33寺を走って回り(1000km)、それぞれの

寺の歌を作って、歌うという番組を引き受けたということですが、その先々での住職との話を

されました。

9歳から15歳までこの菩提寺で修行された法然上人、最後は修行してきたものをすべて捨て

たという空也上人のエピソードも紹介されました。

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後半は自分史。

祖父は北海道開拓民で、小学校の頃、3年間、北海道で祖父母と生活されたそうですが

当時、農作業をした時、祖父の「ゆっくりせえや」とかけられた言葉は、それからの人生で大

事な言葉としても大切にされてきたということでした。

私たち世代は誰でも知っている「受験生ブルース」ですが、その後、カントリーミュー

ジックやメッセージ性の強い歌も作ってこられました。

高石さんのバックボーンにあるものは反戦平和です。

先日亡くなられた鶴見俊介氏との出会いは特別のものだったようです。

70年前の戦争の反省から、当時、文部省が発行した小冊子「憲法のはなし」の文章を一文ず

つ紹介されましたが、憲法がないがしろにされている今だからこそ、自分の生き方が大事だと

問われているような気がしました。

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京都の音楽仲間の加藤和彦、北山修。

やっと実現した加藤和彦追悼コンサートの最後で北山修は天国の加藤和彦に向って

「生きていたらこんな素敵なコンサートもできるんだ。」と言われたそうです。

高石さんは「どんな無様でも生きていくことが大切です」と話され、

その後、私のFavorite songの「あの素晴らしい愛をもう一度」を歌われました。

1番の歌詞は20代、2番は40代、3番は60代の歌(広い荒野にポツンといるようで涙が

知らずにあふれて・・♪)だそうです。

高石さんは5年前、最愛の奥様を亡くされました。

闘病生活の中で「元気な時には朝、起きたら何をしようか?と考えていたが、今は今日も生き

ていたと思うようになった」という奥様のエピソードを話されました。

子ども達に心配かけないようにと二人で努めて明るく振る舞ったとも話されました。

そして今やっとここに(ステージ)に立つことができるようになりましたと言われ、

「陽気にゆこう」を歌われました。

「ギター1本で半世紀の音楽人生、周りの人との出会いの中でここまで生きてこられた」と言

われましたが、しみじみとその言葉の重みが感じられるコンサートでした。

 

PS

深夜放送の時代から高石さんの活動(生き方)はずっと気になっていました。

そこで大胆にもコンサートが終わり、本堂に向われる高石さんを呼び止め、わずか二言三言で

すが、お話をさせていただきました。1974年中津川でのライブ録音のLP「THE  FIELD 

FOLK  VOL.2」にサインをお願いすると「ホオッ、こんなものを」と少しビックリしながら

も、快く応じて下さいました。

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木洩れ日の中を700年の樹の霊気が渡ってくるような、悠久な時を感じさせる素敵なコンサートでした。

 

 

 

 


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