- 2015/08
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オーロラブラック研修会 & 佐桑農園のぶどう紹介3「オーロラブラック」
農園便り
オーロラブラックの名前を知っている人はかなりの「ぶどう通(つう)」です。
と言うのもこのぶどうは岡山県農林水産総合センターが平成15年、
着色不良のピオーネに代わるものをと独自に開発した岡山県のオリジナル品種だからです。
他県ではまず見られない超レアなぶどうです。(県内の栽培面積わずか81ha)
このぶどうの特徴は次の3点。
①肉質が締まっている(噛みごたえがある)
②脱粒しにくい(日持ちがよく、長距離輸送にむく)
③成熟が早い(ピオーネより1週間程度)
プリプリで、皮は少し剥きにくいですが、果肉の締まりはよく、噛みごたえ満点です。
市場では皮がはがれにくいことを逆に
「皮ごとたべられる」とセールスポイントとして売り出しています。
脱粒しにくいところから首都圏や海外へ向けて販路を拡大しているそうです。
糖度は17~18度でピオーネや藤稔とほぼ同じ。
紫黒色で綺麗な球形をしており、ピオーネより少し大粒です。
岡山県主催のオーロラブラック研修会が赤磐市の農林水産総合センターでありました。
前半は栽培のポイントと販売状況の説明、後半はほ場での視察でした。
オーロラブラックの課題も着色です。
名前にブラックがついていますが、なかなか真っ黒なぶどうになりません。
普及所の指導もあって、今年は房を小さくし、1間(3m)に付ける房もぐっと減らしました。
今年は去年より着色は良好ですが、
今日、農林水産総合センターのオーロラを見てビックリ。
気持ちいいほど真っ黒です。
説明を聞いて納得しました。
これまでは食べ応えのある大粒を目指していましたが
大粒にすることは、着色不良(黒くならない)ということです。
大粒にしないための栽培技術とは、
まずジベのタイミングと1発処理。
開花日、4日後、1週間後のジベ処理のオーロラの写真を見せてもらいましたが
差が歴然!
開花日ぴったしにジベ処理をしたオーロラは真っ黒、
4日後、1週間後と日が経つにつれて色付きが悪くなっていました。
またジベは1発処理が効果的だそうです。
開花前に200PPMのマイシンをした後、
ジベレリン25PPM+フルメット10PPMの1発処理が効果的だそうです。
大粒にしないもう一つの栽培技術とは
開花後、副梢が伸びても過度に摘心をしないということです。
特に先端部の伸長は放任。
ジベ処理後は軟化まで副梢をつつかないのはどのぶどうも同じですが、
ついつい鬱陶しくて、ハサミを入れてしまいました。
栄養を枝先に抜かせることが大切で、先を摘心してしまうと栄養が粒に回り
特にオーロラは大粒のぶどうになってしまうということです。
今日は大いに納得です。