農園ブログ

裏山通信

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2015/07
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10万円でできるピザ窯(二層式)製作レシピ
裏山通信

長い人生でこれまでピザを数回しか食べたことのない人間が 農作業の合間に2層式のピザ窯作

りに挑戦した記録です。

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参考にした資料は下記のドーパの雑誌です。DSC_4741.-550

<材料と経費> 合計 約91,200円

  ・耐火レンガ (168円)×156=26,200円  

  ・耐火セメント(4000円)×11=44,000円   

  ・陶芸用中板 (5,000円)×3=15,000円

  ・構造用合板             1,200円

  ・べニア板               約600円

  ・普通セメント             約700円

  ・砕石及び砂            約1,000円

  ・タガネ              約1,500円

  ・サンダー砥石            1,000円

 

1、場所の設定

場所は火の粉が飛んで火事にならない所、地盤の固い所が絶対条件。

裏山ガーデンでその心配のない場所は高さ3m程の崖の所でした。

ここはピザ窯の背面を崖に密着させると保温性がアップするという利点もあります。

 

2、土台つくり

崖を1㎡分ほど掘り、土台部分は山石を組んで石垣にしました。

焼き床が腰の高さぐらいになるよう、その上に小石や瓦のかけら等を敷きました

3、燃焼室の作成

砕石を敷いて表面をほぼ水平にし、その上にセメントを打ちます。

端が真っ直ぐになるように木枠を作り、 その中に25個の耐火レンガを並べました。

これからの工事の基礎になるので、水準器を使い、丁寧にタイル面のレベルをとります。

目地には耐火セメントを使いました。

DSC_4939 - コピー (260x172) OLYMPUS DIGITAL CAMERA

床面ができると裏面と横面のレンガ積み。

レンガは互い違い積むのが基本ですが、そのためには半分に割ったレンガが必要です。

最初は石切り用の砥石をつけたサンダーで切っていましたが、 耐火レンガは固くて2,3枚で

刃がアウトになりました。

そこでレンガ用の幅広タガネ(1500円)を購入しました。

慣れてくると比較的簡単に割ることができます。

これはなかなかの優れものです。 OLYMPUS DIGITAL CAMERA

いよいよ壁積み。

伸ばした耐火セメントの上にレンガを置きますが、 耐火セメントは簡単にはつきません。

またできたと思っても、うっかり触ると、すぐずれてしまいます。

普通のセメントに比べ、数倍、扱いにくいです。

DSC_7934 - コピー (260x172) OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 

4.中棚(焼き床)の支えの作成

ドーパでは木枠のアサヒキャニスター(耐火モルタル)を流し込んで中棚を作っていました

が、備前市「三石耐火煉瓦(株)」に中棚用耐火レンガ(600×300×65)があること

がわかり、工場まで買いに行きました。

1枚5,000円、少し高額ですが3枚(円)購入。

焼き床は2枚半の広さなので、1枚をサンダーで切りました。

次はこの中棚の支え作り。

燃焼室の内側にレンガを縦に並べ、それを耐火セメントで固定することにしました。

まず内側に木枠を作り、そこへ耐火セメントを流し込み、レンガを固定しました。

セメントが乾いたら、木枠はそそまま燃やして焼き落とします。

耐火セメントは焼くことで強度を増すそうなので、一石二鳥です。

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できあがった支えの上に2枚半の中棚用耐火レンガの板を並べました。

焼き床は下の燃焼室から上がってくる熱を通すため、 奥や両側を少し隙間を開けます。

5、ドームの作成

アーチにする場合はレンガそのものをくさび型に加工したり、 砂を盛ってドームにする方法が

あるそうですが、 べニア板を曲げてレンガをのせる方法をとりました。

大工仕事でも土木仕事でも、いつもは現場合わせのアバウト大工(左官)?ですが、 今回ばか

りは失敗が許されないので設計図を書きました。

ドームの半円の直径は66cm。

半円の円周は66×3.14÷2=103.62。

ということはべニア板の一辺がこの長さ。

そこへ14個のレンガを並べると隙間(目地)は約8mm。

これをべニア板に書き込みました。

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またこのべニア板をのせる骨格部分は構造合板を使用。

自作のコンパスで半円を書き、レンタルしたジクソーで切りました。

この骨格部分(7枚)にべニア板を張り付け、ドームの木枠を作る訳ですが べニアが固くて曲

げるのにはかなり苦労しました。

(近くの池にべニア板を数時間漬けて柔らかくしようといましたが失敗)

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いよいよクライマックスのドーム天井づくり。

くさびで角度を調整しながらレンガを並べ、アーチを作ります。

円形に積むためにはくさびの角度が重要となりますが 14個のレンガで直径66cmの半円を

作るには13度がちょうどになりました。

このくさび112個を作るにもけっこう時間がとられました。

ドーム部分のレンガ56枚をくさびを挟んで積み上げます。

半日かかりましたが、組み終わると何となく、それらしくなっています。

ドームの目地に耐火セメントを詰めます。

この目地は先に行くほど狭くなるので、隙間ができないようセメントを棒でしっかり突きまし

た。

煙突部分は最後の作業となるので空けておきます。

1日がかりの作業となり、耐火セメントは3袋も使ってしまいました。  

 

6.煙突の設置

ブリキの煙突を取り付ける予定でしたが、美的に今ひとつの感じがしたので 残った耐火セメン

トを使って四角い煙突にすることにしました。

ブリキの煙突を木枠の型に入れ、その隙間に耐火セメントを流し込みました。    

ピザ窯にはピザ(パン)を焼く時、ダンパーと言って煙突へ逃げる熱を遮断し、窯内を密封す

る装置が必要だそうですが、煙突のフタで代用することにしました。

煙突を作った木枠で作ったため、フタに乗せるとぴったしです。

煙突の設置が終わればいよいよ木枠の焼き落としです。

ドームを支えていた半円の構造合板の隙間に薪を詰め、バーナーで火を付けました。

バーナーなので、すぐ燃えつくと思っていましたが、密閉状態なので酸素の供給が悪く、 最初

は煙ばかり。

炎が上がるようになるまでには10分程かかりました。

 

約1時間で木枠が焼け落ち、ドームの内部が姿を現しました。

ちょっとススけてしまいましたが、思った以上に頑丈そうです

 

7、窯口の作成

棒で目地をしっかり突いて詰めたつもりでも、ドームの内側を覗いてみると、 目地がすいてい

る所がありました。

崩れたりすることはないと思いますが、念のために裏側から目地を塗り直しました。  

ドームの間口が広いのでこのままでは熱風が逃げてしまします。

ダッジオーブンが入る程度に窯口を狭くすることにしました。

左右の脇にレンガを立て、その上に中棚用耐火レンガの板を乗せました。

これは焼き床を作る時、サイズ調整のために切った残りの板です。

その上にレンガ2枚を横に並べ、耐火セメントを詰めると、やっと完成です!

パンを焼いたり、燻製を作るには時間がかかるということなので、窯口を密閉するために木の

フタを作りました。

これですべて完成です。(足かけ1年2ケ月かかりました)

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