農園ブログ

名山旅歩記

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2013/10
27

ちょいと北岳 ひとつかみ「甲斐駒ケ岳登山」
名山旅歩記

 

昨日26日(土)9時、今年最後の縦走、荒川三山を目指して出発しました。悪沢岳は日本で6位、赤石岳7位、荒川岳13位の高山です。インターネットで登山計画を十分研究し、この縦走をするにはもう今年しかないと決意して、8時間かけて静岡の井川湖の手前まできた時です。ひょっとして台風28号の影響で林道が山崩れで通行止めになっていないか気になり、東海フォレストサービスに電話しました。すると、なんと山小屋を閉めたそうです。ジェジェジェ!です。インターネットではⅠ1月4日までとなっていたのに。こんな山奥まで来て今更そんな・・・。意気消沈とはこのことです。

それでも折角、ここまで来たのでどこかに登って帰ることにしました。北アルプスの山小屋はまだやっているでしょうが、ここからは遥か彼方・・・。そこでここからそれでも近い甲斐駒ケ岳に登ることにしました。とは言っても静岡から赤石三脈をぐるりと回り、反対側の長野まで行かなければなりません。登山口の戸台に着いたのは21時30分でした。12時間のロングドライブになってしまいました。

長野の山中の車中泊は布団をかぶっていても寒かったです。2時、場所取りのため、ザックをバス乗り場のベンチに置きにいくと、空には恐ろしい程の星の数。目の悪い私でもオリオン座の星雲が見えるほどでした。今月までオリオン流星群が見えるというでしばらく眺めていました。それから車に戻って布団に入りましたが、朝まで全然眠れませんでした。

 

<行 程>

戸台口ーーー 北沢峠ーーー北沢駒仙小屋ーーー仙水小屋ーーー仙水峠

6:00       7:00      7:10          7:30        8:00

駒津峰ーーー六万石コルーーー魔利支天分岐ーーー山頂ーーー駒津峰ーーー双児山

10:00      10:50         11:20       11:40   13:10    14:00

北沢峠

15:00

 

 

10月27日(日)

6時、戸台発。バスは満員で臨時が出た。車窓から鋸岳下の見事なカラマツの紅葉が見えた。1時間で北沢峠着。すぐさま登山開始。

  

峠から10分程下り、北沢駒仙小屋へ。ここは予約が必要だそうだ。そこから1時間は北沢沿いの緩やかな登り。昨日、台風28号の雨で増水しただろうに、水は透き通っている。

  

何度か沢を渡り、30分ほど坂道を登ると仙水小屋。シーズンも終わり、無人。蛇口の下に置かれたバケツの水は凍っていた。

  

コメツガ、シラビソの樹林帯をしばらく登ると露岩帯の斜面が現れた。おびただしい数の岩群。岩の上を30分ほど歩くと眼前に豪快な魔利支天が姿を現した。これまで不思議な山だなと、遠くから眺めているだけだったあの魔利支天が目の前にあった。。

 

さらに30分ほど歩くと仙水峠。ここは栗沢山と駒津峰の鞍部で、振り返れば千丈岳が望まれる。

  

  

休憩もそこそこに出発。そこからはダテカンバ、ハイマツのきつい登山道、森林限界に近づく。山小屋2泊用にと持って来たザック(水・食料)は重く、どんどん後発の人に抜かれていく。曜日のせいか、この山のせいか、私のようなシニアは見られず、若い山ボーイ、山ガールばかりである。みんな元気がよい。

仙水峠から駒津峰までは標高差500mの眺望のない心臓破りの坂道が続いた。ヨタヨタと1時間半かかってやっと駒津峰に到着した。

ついにドカンと豪快な甲斐駒が目の前に姿を現した。3週間前に北岳から眺めた甲斐駒が今、目の前にある。どこから見てもすぐ甲斐駒とわかる白く輝く孤高の岩峰ピラミッド、そしてあの魔利支天。展望もよく、南・中央アルプスもよく見えた。

 

  

ここで昼食休憩。ザックからパンを取り出すと、気圧の関係で袋がパンパン。これが本当のパン(ダジャレ)。

圧倒されそうな甲斐駒を前にして、重いザックはここにデポし、ポシェットに軽食を入れ、ペットボトルとカメラだけ持って登ることにした。

  

六方石を抜け、アップダウンのある狭い尾根道を20分程進む。尾根は風が強い。

直下の六万石のコルから甲斐駒を見上げる。正面は切り立った岩、右手は風化した花こう岩の砂山。全体が一望できるが、どこに登山道があるのかわからない。人が登るのを拒んでいるようにさえ見える。あまりの険しさに尻ごみして引き返そうかと思ったほどだった。前のパーティーのリーダーの声が聞こえてきた。場所を指さしながら、「あれが直攀ルート。それから右に目をやると中腹に人の姿が見えるでしょう。あれが魔利支天コース。10日程前に熊が出たという情報があります。」等と説明していた。なるほどよく見ると、何人かの人が壁にへばりついている。直攀ルートの先は見えないが、魔利支天ルートは人の姿で登山道があることがわかった。なにぶん、突然の甲斐駒登山になってしまったので、地図もなければ情報もなし。7時間コースと言うだけでここまで登ってきた。

前のパーティは岩稜直攀を選択したので、「よし自分も」とついて行くことにした。しかし、2,30m程登ってすぐこの選択は間違っていたことがわかった。私には無理。右の魔利支天への巻き道コースに変更した。

岩稜を直接登る直攀ルート(後で調べると主に積雪期のみに利用されている難しいコースのようだった)

魔利支天ルートはザレ場の急な坂道だった。登りはいいとしても花崗岩の砂礫は滑りやすく、下りはかなり神経を使いそう。急斜面を1時間程登ると魔利支天分岐。燕岳にあったような花崗岩のモニュメントがいくつか並んでいた。山頂はかなり下から見えていたが、そこまでがけっこう遠い。途中、岩の隙間につららがあった。北沢峠の温度計は0℃だったし、尾根道はうっすら雪が覆っていた。山の上はもう初冬である。

  

うっすらと雪化粧をした登山道     たれ下がったつらら

自然が作った花崗岩のモニュメント

 

六万石のコルから、1時間30分、やっと山頂到着。広い頂きには石の社があり、不動明王が祭られていた。他の山とちがい、昔、甲斐駒が信仰の対象となっていたのがよくわかる。

  

  

山頂は台風一過の青空が広がり、360度のパノラマ。南には鳳凰三山、地蔵岳のオベリスクがはっきりみえる。その向こうには富士山の頭がのぞいていた。右 に目をやると3週間前に登った北岳、間ノ岳。さらに西に目を向けると南アルプスの山々。北には八ヶ岳、そして少しだけ諏訪湖も見えた。北アルプスは日本海 側の天気が悪く、あいにく雲に覆われていた。

鳳凰三山の向こうに富士の頭

 

12時下山開始。帰りは駒津峰から双児山を越え北沢峠に降りるコースにした。

 

駒津峰をしばらく下って振り返れば甲斐駒が雪山のようにさらに白く見えた。下ってきた登山道もよく見えた。

右手に見られた鋸岳は勾配がきつく、その名の通り、稜線がノコギリ状で、谷は崩落が続いているのがよくわかる。これを登る人がいるのが信じられない。

シラビソの原生林のジグザグコースはとても長く感じられた。膝への負担が大きい。それでも一気に駆け下り、なんとか、3時のバスに間に合うことができた。林道から見える甲斐駒、鋸岳の紅葉はそれは見事の一言。花崗岩の白とダテカンバの黄色、シラビソのオレンジのコントラストは他に見られない。何人もの人達が北沢峠までバスで行き、手前の歌宿あたりまでハイキングを楽しんでいた。(バス停でなくてもどこでも帰りのバスに拾ってもらえる。)

  

バスを降り、戸台駐車場に向かう登山者達

愛車のドアを開け、登山靴をサンダルに履き替える。こらが一番ほっとする瞬間。

いつもなら隣りの仙流荘の温泉に入ってから帰るのだが、時間がないのですぐ出発。8時間の登山の後は、これから自宅まで8時間の運転。岡山からの日帰り登山はけっこうきつい。

日曜日の中央道は行楽帰りの車でいつも小牧までが渋滞する。途中、きしめんを食べただけで今回もノンストップで運転。家に着いたのは11時10分。ETC休日割引で4850円。今回は日帰りだったので山小屋宿泊料金なし。それにしても今回は疲れた~。

PS   今回は1.5kgの減量に成功。

 

 

 


2013/10
01

ちょいと富士山 ひとつかみ「北岳~間ノ岳、高度3000mの贅沢な稜線散策」
名山旅歩記

北岳(3192m)は日本で2番目、間ノ岳(3189m)は4番目に高い山です。この2つの山を結ぶ縦走路は日本一と言われているので、ぶどうの作業が終わり、稲刈りまでの3日間を使って紅葉真っ盛りの白峰2山の縦走に行ってきました。

 

<行程表>

9月29日前泊

戸台口———北沢峠——–広河原——–広河原山荘

12:40                 15:00

 

9月30日(月)

広河原山荘—–大樺沢二股——-8本歯のコル——北岳山荘—–中白峰——間ノ岳——-北岳山荘

4:30                         9:00      11:30  11:45        13:45  14:15   15:45

 

10月1日(火)

北岳山荘—–北岳山頂——–肩の小屋——-白根御池小屋—–広河原——-北沢峠——戸台口

6:20      7:25  8:00    8:30         10:10        12:15

 

 

1日目(9月29日) 前泊(広河原山荘)

自宅を6時に出発。中央道駒ケ根ICを降り、戸台口へ向かう。これは失敗、最短距離と思ったが山越えのヘアピンカーブの連続。戸台口には伊那ICを降りて高遠経由が速い。何とか12時過ぎに着く。広い駐車場は甲斐駒、仙丈登山の車でいっぱい。ここから一般車は入山規制。急いで仙流荘の「仙人の湯」(600円)で汗を流し、12時40分の北沢峠行きのバスに乗車する。南アルプス林道のバスを乗り継いで15時に広河原に到着。日曜日の午後なのでアルペンプラザのバス乗り場も下山者でいっぱい。芦安に向けて臨時便の増発が続いていた。

 

 

吊り橋を渡って広河原山荘へ。木立の間から北岳の山頂が見え、「よし、明日は!」と気合を入れる。

  

  

広河原山荘は日曜日の夜なので、ガランとしていて宿泊者は4人のみ。狙い通り、北アルプスを敬遠して正解。1人1部屋の贅沢。まずはいつもの通りビールで乾杯。

食事はここの名物のワインも付いてなかなかのもの。スープは絶品、お代わりをする。

睡眠安定剤を飲んでぐっすり眠ていたところ、夜の10時に男女4人のパーティーが到着。何か特別な事情があったのだろうが驚く。

 

2日目(9月30日) 八本歯経由北岳山荘~間ノ岳

4時30分、ライトをつけて出発。暗闇の中、下弦の月がきれい。誰もいない登山道、今でも熊が出没しているそうで、熊鈴を忘れたことを後悔。2時間程登ると朝日に赤く染まったバッドレスが現れた。7年ぶりの再会、自然に元気が出る。

  

大樺沢に入る頃になると夜が開け、眺望もよくなり、後ろを振り返ると鳳凰3山、オベリスクが肉眼で見える。大樺沢の大きな岩の間をジグザグに登っていく。登り始めて2時間半、仮設トイレのある大樺沢二股に着く。ここは右俣コースとの分岐だが、八本歯のコルを目指す。

  

前回、8月に登った時は、雪渓歩きが何か所かあったが、明日はもう10月、雪渓は1ケ所だけだった。

次は見事なバットレス4連発。おかげで疲れが半減。

八本歯のコル手前は急な突き上げ。斜度70度、20余りのハシゴの連続。一つ登ると息が切れ、休憩。脈は130を越えている。改めて元気でいてくれる心臓、そして他の臓器に感謝する。北岳上部は紅葉真っ盛りでダテカンバの黄色とナナカマドの赤色のコントラストがきれい。

  

9時、コルの峰までやっと登り切るとその先には霊峰富士。これほど近くて、大きかったのかと、改めて感動。富士山はやはり遠くから眺める山。

北岳トラバース分岐から見るとバッドレスが目の前。北岳山荘から間ノ岳に向けての稜線も鮮やか。この絶景は苦労して登って来た者へのご褒美。そうそう、今日はここまで珍しく誰にも抜かれていない。(それは登山者が少ないからです)

しばらく感動に浸った後、北岳の西側の北岳山荘へのトラバース道を行く。足を踏み外せば数百メートルも落下するタフな下り。山荘が目の前に見えているのにコース時間通り1時間かかった。

11時40分、北岳山荘到着。出発から7時間、普通はこれでビールの時間になるが、明日は雨のようなので今日が勝負と間ノ岳を目指す。

昼食を期待したが、北岳山荘では昼の食事の提供はなく、カップヌードル300円、菓子パン200円で済ます。部屋に荷物を置き、軽装で出発。

間ノ岳までは2時間のコース。稜線はアップダウンが多くて、登り返しを心配したが、尾根の北側に整備された比較的なだらかな登山道だった。明日の雨を予想させるような雲。うろこ雲、ひつじ雲、彩雲のフッションショー。シャッターチャンスの連続で時間をとられる。

 

稜線の右には乗鞍の中央アルプス、さらにその先には木曾御嶽。北に目をやれば槍穂の北アルプスの峰々。去年、槍の頂上から見た富士山はとても小さかったが、今日は目の前にドカンと座っている。仙丈ケ岳のハイマツの紅葉、その先の雪のような甲斐駒ケ岳の摩利支天。やはりここは日本一の縦走路。360度のパノラマ、高度3000mの贅沢な雲上の散策。

そうこうしている間に中白峰を越え、間ノ岳へ。山頂は広々として誰もいない。30分滞在していても誰も来ない。日本第4位というのに隣りの北岳に人気をとられて少しかわいそう。

  

農鳥のよく見える所まで足を少し伸ばす。三峰岳の手前に農鳥小屋が小さく見える。アクセスさえ良ければ白峰3山縦走が可能だが、奈良田から帰るバスがない。

大パノラマをしっかり目に収め、北岳山荘に戻ることにする。やっぱり疲れが足にきている。荷物はなくても、乱視入りの遠近両用メガネでは何か歩行が不安定。誰も通らない長い稜線を転ばないようにゆっくり歩く。

3時30分、山荘着。今日はⅠ1時間のハードな山登り。やっとここでお待ちかねのビールの時間。なんとここにはアサヒのドライ(500円)が置いてある。2本を両手に持って富士山の撮影をしにテラスに出る。「プシュッ!!」 ああ、なんと至福の時。この瞬間のために山に登っているのかも。

富士に西陽が当たり、徐々に赤富士になってきた。穏やかな時間が流れる。三脚がないのでブレないようにシャッタ―を押す。

 

山荘の宿泊者は20名ほど。布団2枚に1人のスペース。「農鳥部屋」は16人定員のところ今日は4人。全室南向きで富士山がよく見える。肩の小屋には申し訳ないがこちらはずいぶんきれい。トイレも室内にある。

  

  

食事もしっかりしている。4人にどんぶり1つ、夕食には肉ジャガ、朝食には山芋のトロロがついている。朝食のメニューもそうだが弁当もかなり充実している。ごはんが痛みにくいようにと、酢飯にしているところなど心配りがうれしい。

  

夜は外の気温が6℃。どうも明日は雨のよう。毛布1枚をシーツ代わりにして、うすい掛け布団と毛布で全然寒くない。今日は睡眠安定剤が全然効かない。膝から下が火照る。疲れ過ぎていて寝返りの連続。「ぶどうの箱詰め」が何度も夢に出てきて昨晩のようには眠れなかった。

 

3日目(10月1日) 北岳山荘~北岳~広河原

5時半起床。富士山はやはり雲の中。カメラを持って外に出るが、雨は落ちてないものの、ガスの中。今日は早出をしないで5時50分からの朝食を頂く。

  

天気が悪く、登頂を断念しようかと迷っていたら、一時、雲が切れ、北岳の山頂が姿を現した。それならばと6時20分、山荘を出発し、北岳を目指す。

吊尾根分岐からは斜度もきつくなり、鎖場、ハシゴが続く。重いザックでバランスを崩すと、一気に数百メートル落下してしまう。時折、ガスが切れ、仙丈が姿を現す。

 

7時25分、北岳山頂。誰もいない!眺望もない。感動もない。それでもと思い、雲が切れた瞬間を狙ってシャッターを押す。しばらくすると2人の男性が肩の小屋から登ってきた。一昨日、広河原山荘で同宿だった東京と大阪の人だった。このあと北岳山荘にもう一泊して天気の回復を待つそうである。

  

  

 

8時、山頂を後にして肩の小屋に向けて下山開始。

  

 

肩の小屋を過ぎると雨具が必要となり、カメラはザックにしまい、下山を急ぐ。小太郎屋根分岐から先の草すべりはその名の通り、両脇の草に囲まれた急峻な登山道だった。登りなら大変。このルートを下山にして正解だった。

 

白根御池小屋10時10分。急げば12時30分のバスに間に合いそう。それから先は深い樹林帯の急な坂が続いた。夏の強い日射しを避けたり、雨の時の避難ルートにはいいとしても、絶対、登りには利用したくない。白根御池分岐からも下っても下っても先の見えない急峻な尾根の道が続いた。

沢の音が大きくなってきた。12時10分、やっと広河原山荘。ふー長かった。もうこれで歩かなくてすむ。バス停には発車10分前に到着。次のバスだと2時間先になってしまうので、滑りこみセーフ。この後はバスに揺られて北沢峠、戸台口へ。

14時、戸台の仙流荘で汗を流す。体重計に乗ると今回は1.2kgの減量だった。さあ、次はここからは6時間の運転。

平日の中央道でも交通量は多い。1度、給油で車を止めただけでノンストップで我が家へ急ぐ。20時20分、無事帰宅。朝の7時には北岳山頂にいたのに何か不思議な気分。何の不自由もない平凡な毎日の有り難さを気付かせる山の生活。さあ、明日からはまた稲刈り。

PS 高速料金(伊那IC~美作IC ETC平日割引6800円、給油約6000円。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2013/08
21

ちょいと 槍をひとつかみ 「燕岳登山」
名山旅歩記

ぶどう作業が忙しくなる前に北アルプスの燕岳に行ってきました。燕岳は「北アルプスの女王」と言われる百名山の一つですが、「山を見る山」としても人気の山です。

<行程表>

登り中房温泉~燕山荘3時間50分、燕山荘~燕岳30分、下り2時間10分

中房温泉登山口——–第1ベンチ———第2ベンチ———第3ベンチ——–富士見ベンチ

5:00                        5:30                      6:00               6:30              7:15

合戦小屋——-燕山荘———-燕岳

9:45   8:50   9:20  9:50

 

前日

昼前に美作IC出発、16時過ぎに豊科IC。高速料金は日曜ETC割引で半額の5800円、ガソリン代(8000円)は半額ならず。それにしても長野県はガソリン代1リットル168円、高い!安曇野のイオンで夕食と次の日の弁当を仕入れ、登山口の中房温泉へ。中房温泉までの山道は舗装されていても40分必要。20時到着、駐車場は2/3程が埋まっていた。第二駐車場に停める。12時を過ぎると車中泊では毛布がないと寒い。

 

2013年8月19日

4時30分起床。身支度を整え、登山口の中房温泉まで歩く(10分)。すでに数組のパーティーがアップをしたり、トイレを済ませ、夜明けを待っていた。

  

5時登山開始。第1、第2ベンチと距離を稼ぐ。展望はないが、夏の暑い日射しも届かない。ガラ石もなく、よく整備され、歩きやすい山道が続く。燕岳は北アルプス入門の山と言われているのが納得できる。燕山荘主催のツアーにも小学生の姿が見られる。傾斜のきつい所には木ハシゴがかけられていた。

第3ベンチ、富士見ベンチを過ぎると森林限界。視界が開け、槍の頭も見え始めた。

  

合戦小屋はすでに食堂がオープンしていて、スイカも売られていた。写真のひと切れが800円。ここには中房温泉から食材が業務用リフトで上げられている。お金さえ出せば水でも食材でも手に入る便利な山である。

  

合戦小屋からの登りは北アルプス3大急登と言われているそうだが、ごく普通の登りだった。カメラを一眼レフから小型ミラー一眼レフにしたのと、日帰り登山なのでザックがずいぶん軽くなり、疲れが全然違う。左足の痛風発作も気にならない。

やがて右手に燕岳、そして北燕の頂きが見えてきた。目指すものが姿を現せば自然に元気が出る。燕岳真下はちょっとしたお花畑。疲れは吹き飛び、シャッターを押す。けなげにも花こう岩の風化によってできた砂地にコマクサが咲いていた。

  

  

そしていよいよ燕岳まで最後の10m。今回も頭を下げたまま、10,9,8、…3,2,1m ゴール!ゆっくり頭を上げるとドッカンとアルプスの大パノラマ。本当に感動の一瞬。思いっきり空気を吸い込み、360度見渡す。北は立山連峰、そして槍・穂高、南は甲斐駒、北岳。名だたる山がここにある。「山を見る山」と言われるのが納得できる。ベンチに腰かけ、至福の時を楽しむ。ビールが飲みたい・・・・、でもすぐ下りが待っているので。

パノラマ写真を撮った後、ベンチの隣りの人にお願いして槍との記念写真。テーマは「槍をひとつかみ」。結構、いい写真で満足。槍と小槍の間に孫槍が見られるのはこの燕岳だけ。燕山荘横には、夏の間だけ順天堂大学の臨時診療所が開設されている。

槍ヶ岳をチョイとひとつかみ

槍ヶ岳をこの手に

  

元気いっぱいの山ガール           中国からのツアー登山者

 

20分間、山のごちそうを頂いた後、30分かけて燕岳山頂へ。途中、花崗岩が風化してできた「イルカ」「メガネ岩」の写真を撮る。

  

メガネ岩に私の乱視入りの遠近両用メガネをかけさせました

イルカ岩と槍ヶ岳の背比べ! イルカさんの勝ち

10時30分、燕岳山頂。山頂の広さは10人ほどのスペース。ここでイオンで買った弁当を広げる。山はやはりむすびがうまい。隣りのペアはミカンの缶詰を食べていたが、平地では捨てる甘いシロップが旨そうだった。この次はぜひバナナと一緒に持ってこよう。

燕岳山頂から北方の北燕岳、立山連峰を臨む

 

  

隣りの女性からクマのぬいぐるみを借用し、記念撮影

 

11時、名残り惜しい中、下山を決意。次回の燕は日帰りではなく、山小屋を利用し、大天井、常念、蝶ケ岳の縦走を果たしたい。山小屋泊ならビールが飲める。

合戦小屋あたりまで下ってもまだかなりの人が登っていた。前回のニペソツと明らかに違うのは山ボーイ、山ガールの多いこと。まだ夏休みということで大学生らしい若者が多かった。

第1ベンチまで下り、30m下の水場で水補給。あまりの冷たさに、気持ちよく一気にペットボトル1本飲んでしまった。前回の反省から今回、水は2リットル用意したが、それでもこの暑さのため冷たい湧水は何よりのごちそうだった。トイレは燕山荘で1回のみ、水分はほとんど汗となって蒸発。この山はトイレの協力金がない。(中房温泉、合戦小屋、燕山荘)

        

岩の隙間からチョロチョロ流れ出している第1ベンチ下の水場    第1駐車場

14時10分、登山口の中房温泉に到着。所要時間登り中房温泉~燕山荘3時間50分、燕山荘~燕岳30分、下り2時間10分。中房温泉立ち寄りの湯(700円)で汗を流す。体重計に乗るが期待していた減量に失敗、残念。次回の目標は南アルプス紅葉の白峰三山(北岳、間ケ岳、農鳥岳)縦走。この次は左足の痛風を直して!

 

 

 


2013/07
26

雲上の散策「大雪山縦走」(黒岳~北海岳~白雲岳~赤岳~銀泉台)
名山旅歩記

一昨年に続いての大雪山縦走です。前回は黒岳石室に泊まり、旭岳への縦走コースでしたが、今回は日程の都合で黒岳~銀泉台の日帰りコースです。高山植物いっぱいの日本一の雲上散策でした。

 

2013年7月19日(金)

層雲峡ロープェー—–リフト——黒岳登山口——-黒岳——黒岳石室——

6:00                        6:20           6:30            7:40         8:00

—-北海岳——白雲分岐——–赤岳——コマクサ平———-銀泉台

9:45      10:50     11:30          12:40           13:50

 

温泉街のセブンイレブンで食料を仕入れ、層雲峡ロープェー駐車場で車中泊。

5時起床、身支度を整えてロープェー乗り場へ。階段を上がると、もう10人余りの登山者がベンチに座っていた。チケット売り場が開いたのは始発便の15分前。片道 チケット(1000円)を購入し、列に並ぶ。6時始発のゴンドラはほぼ満員(定員は100人)。自分もそうだが、ほとんどがシルバー世代。

登り始めは雲に覆わ れていたが終着駅付近で雲が切れ、一瞬のうちに青空が現れた。ゴンドラの乗客から一斉に「オオウ!」と歓声が上がる。下界は曇っていても山の上は別世界。正に雲上の世界。

 

終着駅から5分ほど歩いてペア―リフト乗り 場へ。リフト(片道600円)は5分ほどで黒岳登山口に到着。

  

6時30分いよいよ登山開始。この登山道はよく整備されており、黒岳山頂まで一気に登ることができる。空は澄み渡り、途中のまねきネコ岩も良く見える。本当に山の上の空の蒼さというのは独特。(紫外線は強いだろうなあ)

 

7時40分、黒岳山頂に先頭で到着。(始発のゴンドラの中はほとんどシルバー世代なので自慢にならないが、自分としては頑張った)

足元には高山植物、目の先には大雪の大パノラマが広がる黒岳山頂。桂月岳、北鎮岳にも雲がない。見渡す限り大雪山の大パノラマが広がる。1時間10分の頑張りで、これだけ素晴らしい絶景を手にできる所は他にない。ここから先のコースは私の中ではBEST1。

  

北鎮岳の中腹には「白鳥の雪渓」と「千鳥の雪渓」が見られる。

石室までの20分の下り階段の両脇も高山植物でいっぱい。名前の通り「美ヶ原」。石室でお土産の手ぬぐいを買う。

そこから先も誰一人いない。大雪山独り占めの贅沢。高度差のない、なだらかな登山道が続く。今回の登山は今までで一番早い時期なので、花は今が盛りで、残雪も多い。

赤石川の水量も多い。雪渓の隙間から吹き上がって来る風が気持ち良い。全くハイキング気分で歩く。

クジャク岩の下はこれまた見事なお花畑。エゾコザクラ、イワブクロ、イワブクロ・・・。

  

9時45分、北海岳。ベンチに座っていたフランスからの留学生から砂糖菓子の「かりんと」をもらう。日本語はたどたどしいが慶応大学3回生だそうで、これから白雲岳に向かうとのこと。

  

北海岳からは花の数は減ったが高度差のない山道。

11時、白雲分岐。ここで昼食休憩。赤岳まであと2Km。

11時15分、10年ぶりの赤岳。

 

北鎮へ続くパノラマの景色と別れを告げ、コマクサ平へ急ぐ。コマクサ平はその名のとおり、可憐なコマクサが今を盛りに咲いていた。ここには銀泉台から登ってきたバスツアーの人達でいっぱいだった。かなり高齢と思われる方もいた。元気が一番。

  

ここから銀泉台までの5つの雪渓はアイゼンは必要ないが、広くて長い。何度か銀泉台から登ったことがあるが、これほど大きな雪渓は初めて。雪渓のあるおかげで最短距離を歩くことができ、時間短縮になっている。斜度がきつい部分はスコップで階段がつくられており、安全に下ることができた。

   

 

銀泉台への登山道は雪解け水のため、チョロチョロと水が流れていて歩きにくかった。

   

 

  

 

13時50分、銀泉台。ほぼ予定通りに到着することができた。黒岳から銀泉台へ縦走する人のために、15時30分の黒岳行きのバスがある。

銀泉台の登山口には昔、「銀泉台ヒュッテ」があった。手の届く所までやってくる可愛いシマリスがいた。家族で泊まったことがあったが、今は跡形もない。立派な登山事務所とトイレができていた。

  

登山口にある水場であるだけのペットボトルに大雪の水を詰め込んだ。林道を下り、層雲峡の「黒岳の湯」で汗を流す。体重計に乗ると今日の縦走で2kg減のダイエット。明日はいよいよニペソツ山へ。

 

 


2013/07
25

標高年(2013年)東大雪最高峰ニペソツ(2013m)登山
名山旅歩記

 

東大雪の最高峰ニペソツ山は今年、標高年です。アップダウンの多い、下山も登り返しのある厳しい山ということでしたが、「今年がチャンス」と挑戦してみることにしました。前日に大雪を縦走したばかりなので体力を心配していましたが、11時間30分、厳しかったけど感動いっぱいの山登りとなりました。

< 登り>

杉沢登山口—–小天狗——前天狗——-天狗岳——ニペソツ山

3:50              5:40           7:10          7:45            9:20

<下り>

ニペソツ山——天狗岳——前天狗———-小天狗———杉沢登山口

9:45      11:00   11:30            13:00           14:20

 

2013年7月20日(土)

3時30分、車中泊の窓越しに見る外の景色が白んできた。(北海道の日の出は岡山より1時間早い4時30分) あわてて車から出るともうすでに登山口には数人の人影。急いで身支度を整え、3時50分、登山開始。まず最初の関門は十六ノ沢川にかかるエゾ松の丸太越え。まだエンジンのかかっていない身体なので4点歩行で慎重に渡る。

  

登山口前の駐車スペース         十六ノ沢川に渡されたエゾ松の丸太橋

登り始めて5分、「コンコンコンコン」、姿は見えないけどキツツキ(クマゲラ?)が木を叩く音が聞こえる。北海道だなあとワクワクしながら樹林帯の坂道を歩く。登山口から1時間は展望の利かない樹林帯。途中、何箇所か登山道にエゾ松の倒木があり、下をくぐって進む。森林限界あたりまで広い尾根歩き。

  

登山道をふさぐエゾ松の倒木          小天狗下の大岩

5時40分、小天狗をトラバースして東の大岩に出る。ここは足場も手をかける岩もわずかで、少しでもバランスを崩すと落下する危険な場所。前のパーティ―から「お先にどうぞ」と言われ、道を譲られたものの、へっぴり腰でなんとか通過する。

この先は高度差のない山道。エゾ松の樹林帯が切れ、左手にウペペサンケ山が見えてきた。石狩連峰の山並みを眺めながら気分良く進む。シャクナゲが咲いている小さなキャンプサイトからは緩やかな登りになった。ここからの登山道は狭く、夜露に濡れたクマザサでウエアも濡れる。6時20分、急に視野が開けた。石狩連峰の大パノラマ。登り始めて1時間30分、ここで、朝食休憩。後続者もみんなここで休憩をする。空気がうまい。

ここから前天狗まで雪渓の美しい大雪連峰を眺めながら歩く。ガレ場とハイマツ帯の登りだったが、ハイマツは全部、積雪のため横に伸びている。  

ニペソツが見える小天狗まであと10mになった。いっぺんにその姿を見ようと頭を下げて登る。「10,9,8・・・3,2,1」、頭を上げると天狗岳のはるか向こうにニペソツの雄姿があった。独立峰ニペソツに感動!このコースのハイライト。

天狗岳の遥かむこうにそびえるニペソツ

学生のテントが二つ張られていた。ここから見る日の出、日没のニペソツはどんなに素晴らしいだろう。この場所はケルンや簡易トイレもあり、結構、広い。

  

ニペソツは天狗岳の遥か先。体力の心配もあったが、今年は標高年、ここであきらめたら絶対に後悔が残ると思い、何枚か写真を撮ったらすぐ出発。

下から眺める前天狗のガレ場

縦走路の先の下りの岩場は、登山道がはっきりせず、赤いマークのリボンを探しながら下る。この岩場はトムラウシの頂上あたりの様子と似ている。7時40分、天狗平の登りの岩場にさしかかると動くものを発見。ナキウサギだった。ラッキー。急いでシャッタ―を押す。体力温存のため、望遠を持ってこなかったのが残念。    

そこからは昨日、登った大雪の白雲~赤岳、そしてトムラウシに続く大パノラマ。天空トレイルを満喫。

 

  

天狗のコルの南側の砂礫帯は崩れ落ちていて危険。

そしていよいよニペ最後の急峻な登り、標高差300m。下山してくる人に聞くと頂上までは小1時間だそう。疲れてはいられない。山頂に人影が見え、最後の元気を振り絞る。

 

  

ニペソツの頂上に人影が見える        山頂北側はお花畑

 

9時20分、とうとう憧れのニペの頂きを極める。頂上は狭いが360度の眺望!十勝連峰、トムラウシ、表大雪、石狩連峰、ウペペサンケの山々。正に至福の時。三股山荘のオーナーの話では1週間前にはラウス岳が見えたそうである。記念の写真を撮ってもらい、昼食のむすびをほおばる。

  

  

  

  

9時45分、25分の滞在で下山を開始。ニペの下りは登り返しがあるため、登りとかわりないほど時間がかかる。下山を早めたもう一つの理由は水が少なくなったこと。残りはペットボトル半分程度。のんびりしていたら水切れでダウンしてしまう。昨日の登山はペットボトルが2本余ったので、少しでも荷物の重量を少なくしようと、今日は半分に減らしたところ、きつい登りと暑い日射しに思った以上の水を飲んでしまった。(やはり夏山は2リットルは必要)

 

ニペソツから見る天狗、前天狗

前天狗への30分の登りは1口だけ口に含み、飲み込まず、水の消費を減らすよう努めた。前天狗も休憩なしで下る。小天狗でいよいよ水が尽きた。

大岩は登りの時にはなかったロープが渡されていた。後で東大雪自然ガイドセンターの人に聞くと、10時頃に職員の人が安全対策用にと張ったそうである。少しゆるい感じがしたが、これがあると大助かり。

  

急がずマイペースで下るが、どんどん後続の人に抜かれていく。唇が渇いてきた。久しぶりの感覚。ここで倒れたらシャレにもならない。川の流れる音が聞こえてきたが、一向に登山口に辿りつけない。14時20分、やっとのことで杉沢登山口に到着。車の冷蔵庫の中の水を一気に飲む。1リットル近く飲んでも飲んでも乾きがとれない。かなりの脱水症のようだった。

一息ついて車で山を下る。今日は車の数がすごい。昨夜は6台だったが、今日は土曜日なのでかなり下まで駐車をしている。登山口から2,300m下まで車があふれていた。(登山口にUターンのスペースがあり、駐車はここで方向転換して林道に縦列駐車) 登頂証明書をもらうため自然ガイドセンターに行ったところ、今日は70台だそうである。1週間前の海の日の3連休は100台だったとうこと。糠平湖の「元湯」(600円)で汗を流した。体重計に乗るとあれだけ水を飲んだのに昨日より1kg減、すごいダイエット。

PS

登山口となる杉沢までは国道273号三股よりダートな林道8km25分。対抗車をかわすスペースは少ない。

 

 


2012/12
07

天空のトレイル?「久住連山」
名山旅歩記

師走に入った12月2,3日大分県の九重高原に出かけました。予定していた2日(日)は天気が崩れたので登山を延期しました、この日は温泉三昧(柴石温泉、明礬温泉、別府砂湯温泉、長湯温泉) とし、南小国町の日本秘湯の宿「壁湯温泉」に泊まりました。

3日は快晴、登山口の牧の戸峠に向かい出発。牧の戸までは車で1時間ほどでしたが、黒川温泉を過ぎると、久住の山並みが見えてきました。エッ、なんと今回も?No.Bad!! 山頂が白くなっています!九州の山ならまだ紅葉もと期待して九州入りしたのですが裏切られました。先週の大山に続いて久住も冬山でした。今回もアイゼンは不携帯です。昨夜の北九州地方は小雨でしたが、山は雪になったようです。

それでも折角、ここまで来たのだから登れるところまでと気を取り直し、登山口に向かいました。ルートは牧の戸峠登山口—-沓掛山—-星生山—–久住山——赤川温泉登山口です。登山道はコンクリート舗装された階段でした。10分も登れば展望台に到着。風が強く、誰もいません。そこから先の階段は白くなっていました。雪が深ければ踏みしめて登ることができますが、昨夜の雪が解けて凍結しているため、丁度滑りやすくなっています。コンクリートの階段がかえって災いしています。コンクリートの階段の端の未舗装の土の部分を慎重に登りました。何人か下山してくる登山者に聞くと、久住山は南向きなので上の登山道の雪は溶けかかっているそうですが、ここから先はしばらく雪道が続くということでした。その人は登山口を朝、4時に出発したそうです。先週の大山ほどの雪ではないので、アイゼンなしでも何とか登れそうです。

1時間ほどで沓掛山(1503m)に到着。誰もいません。星生山、三俣山の山頂は雪で白く覆われ、灰色の雲が流れています。東に目を向けると久住山までのなだらかな縦走コースが見えます。南には瀬の本高原が広がり、そのはるか向こうに阿蘇が見えます。それにしても風が強く、帽子が飛ばされそうです。残念ですが今回はここで断念です。

山頂で写真を撮っていたら一人の女性が下山してきました。お話を聞くと今回で久住登山は80回目だそうです。75歳になったので今は他の山は登らず、この山一本だそうです。それほどこの山は四季を問わず魅力的な山ということなのでしょう。どのシーズンもいいそうですが、一番はミヤマキリシマが咲き乱れる6月だそうで、この季節に登る場合は牧の戸コースは大混雑をするので、急登攀はんでも赤川登山口からがいいと教えて下さいました。特に好きな景色は星生山から見下ろす大池だそうです。北九州の方でしたが、宿は毎回、九重高原コテージだそうです。安くて料理もよく、露天風呂からの景色も抜群だということです。6月はぶどうで忙しいもで花の時期は難しそうですが、来年必ず再チャレンジしようと思いました。

 

 

 


2012/11
25

大山登山 冠雪NO.BAD! 6合目ターン
名山旅歩記

サラリーマン生活を始めたので、なかなか山登りどころではありませんでしたが、3連休最終日の日曜日、米子道経由で伯耆富士「大山」に向かいました。

蒜山の先、県境の三平山トンネルを過ぎたところで、「ええっ!まさか?」雲の切れ間から・・山際が白くなっているのが見えました。「本当に雪?」溝口ICを降りて桝水原に向かうと全容が明らかになってきました。今朝は放射冷却で1℃というのは天気予報で知っていましたが、大山の三分の一程が雪を覆っていました。No.Bad!

  

8:25、駐車場に到着。2台だけ空きスペースがあり、急いで駐車。身支度を整え、8:30、夏山コースから登山開始。1合目(8:40)までは石の階段。雪山で寒いだろうとフリースの上にジャンバーを着ていましたが暑くて脱ぎました。2合目(9:00)からは丸太の階段。今回はザックの中は雨具と弁当と500mlの水だけなので楽勝、私を追い抜く人はいません。それにしてもかなりの人数です。左右、展望はなく、ひたすらブナ林の中を登りました。3合目から道の両脇に雪が現れ始めました、ヤバイ。うれしくない初雪。4合目あたりからは階段が雪と氷でいよいよ滑りやすくなりました。用心,用心。5合目(9:30)からはアイゼンがなければきつくなりました。それでもほとんどの人がまだアイゼンなしで登っています。行者コース分岐、登山道は5cm程の雪に覆われています。ああ、本当に冬山に来てしまいました。

  

それでもなんとか6合目避難小屋までたどり着きました(9:45)。ここには雪をかぶったベンチがあり、ここで皆さんアイゼンをはめていました。風もなく、雲が切れ、ここからは三鈷峰、稜線の上のユートピア小屋がはっきり見えます。アイゼンなしにはこれより上は危険なのでここで断念。6合目避難小屋が本日の最高地点です。「ブナの落ち葉をカサコソ踏んで、晩秋の大山山頂に」と計画していた大山登山が想定外の展開になってしまいました。コンビニ弁当を食べて下山開始。こうなれば同じ道を引き返すのはしゃくなので時間はかかるけど行者コースにしました。さすがに行者コース、丸太の階段がきついこと。登りだとこれはさぞかししんどいでしょう。勾配がきつく、雪で滑りやすいので用心しての下山でした。ブナ林はこちら側の方が面白い写真が撮れました。

  

今回、山頂の弥山まで登頂できませんでしたが、荒々しい大山北壁の雪景色が撮れたことはラッキーでした。(ちょっと負け惜しみ)


2012/09
27

天空の城「和田山竹田城」
名山旅歩記

東洋のマチュピチュと言われている和田山の竹田城に行きました。今年、高倉健主演「あなたへ」のロケ地となった名城です。自動車は一方通行になっていて北側から大きく周回して細い道を登ります。駐車場から山頂までは徒歩で20分、コンクリート舗装の坂道です。

  

この竹田城は1443年に築城され、幾多の戦禍に巻き込まれた歴史的な山城です。2006年には日本100名城に選定されました。パンフレットにある雲海の中の竹田城の写真は本当にマチュピチュのようです。よくこれだけの石を山頂に積み上げたものだと感心しました。

  

北千畳から天守閣を望む

 

  

この南千畳で「あなたへ」のロケが行われました。田中裕子さんの歌声が素敵でした。

 

南千畳から天守閣を望む

 

  

この山城は戦いの場となっただけでなく、600年に渡り、四季の移ろいや人々の営みを見守ってきたと思うと感慨もひとしおです。

桜や雪景色の季節にもう一度訪れたい山城です。

 

竹田城から4キロのところにある「よふど温泉」で汗を流しました。露天風呂は静かな林の中にあります。

 

 


2012/08
24

槍ヶ岳登山
名山旅歩記

念願だった槍ヶ岳登山が実現しました。表銀座コースや槍沢コースは人が多いのと、2泊3日になるので、時間が自由にできる新穂高コースにしました。(8月22日)

8月20日(月)

無料駐車場——登山口——奥穂高登山口——–ぶどう谷———ヒカリゴケ———滝沢出合

4:10   4:30   6:10   6:50   7:00   8:00

 

槍平小屋——–千丈沢乗越分岐——–槍ケ岳山荘

8:40   11:40    14:15

 

8月21日(火)

槍ケ岳登山——槍ヶ岳山荘——–千丈沢乗越——奥丸山分岐——槍平小屋—–登山口

6:00   8:00   9:40   11:30  12:30  15:10

 

憧れの「槍登頂」記

8月19日(日)

11時自宅を出発。名神・東海自動車道を利用し、高山経由で新穂高に。(美作IC~高山IC、ETC休日割引4400円)。明日は夜明け前の出発なので、まず登山口を確認。自転車禁止のポスターがないことを確かめて車から自転車を下ろす。(ネットの投稿に長い林道に自転車を利用することが紹介されていた。)登山口近くの駐車場は有料で高いため、ここから徒歩で15分ほど下った深山荘前無料駐車場に駐車する。この駐車場はいつも車であふれるそうだが、この日は盆の休暇明けのため、7割程度。早速、ビールを持って深山荘の露天風呂(500円)に。

 

この日の車中泊は網戸を用意したが不要。少し寒いぐらい。(夕方の気温22度)

 

8月20日(月)

4時起床。登山口に偶然、自転車の男性。同じことを考える人がいた。二人で自転車を押しながら暗い林道の坂道を歩く。なんとなく心強い。禁止の標識はなくても自転車はマナー違反だが。この男性は三重の人で今回は奥穂に登るそうである。夜が明けてきた。 

 

途中の自転車禁止のポスターのあるゲート横に自転車を置き、槍平小屋を目指す。奥穂登山口の先の沢からはあまり高低差ないどこにでもあるような登山道。ぶどう谷、ヒカリゴケ、チビ谷を過ぎ、滝谷出合で休憩。広い沢の上流には滝が見える。水量が多く、橋がないと渡れないが、新しい橋はかなり高い所に付けられている。この沢を越えてからも川の音が聞こえるだけの楽しみのない登山道。林の中だけに日差しはないが、景色もない。ただひたすらに距離と高度を稼ぐだけ。何度も沢を渡る。

8時40分、槍平小屋に到着。ここまで意外と元気。10時までに着けなかったら、ここに一泊することも考えていたが、一気に槍ヶ岳山荘を目指すことにした。コース時間は5時間、2時過ぎには着きそうなので、雷の心配はなさようだ。

   

2500mを過ぎるあたりからきつくなってきた。今回、出発前に靴が見つからなかったので靴を新調した。新品の靴のため、右足が靴ずれ。左足は痛風発作。それよりも疲労度を増やすのザックの重さ。軽くしようとバナナ3本と弁当を食べるが、重いのはカメラや三脚等の写真機材。次回の山登りは絶対、カメラを替えようと思う。このコースの登山者は少ないが10人程の人が私を追い抜いて行った。私に追い抜かれた人はいない。私の後ろにいたMさんも今はもう遥か上の方で、姿は見えない。千丈沢乗鞍分岐を過ぎるとガラ石のジグザグ道。景色は開けたが、厳しい夏の日差し。山頂まではあと何時間かかるだろうか、気が遠くなるほどの長い距離。1リットルの水を飲み干す。脈を測ると120を超えている。2,30m登っては腰を下ろす。

2時を過ぎ、ガスで山頂が見えないが、上のほうから若者達のにぎやかな声が聞こえてきた。ガスの切れ間から赤い建物の一部が見えた。どうやら槍ヶ岳山荘のよう。気持に元気が出たが、足はなかなか進まない。10分程でやっと若者達が騒いでいたテント場に到着。そこを左に曲がると、目の前に槍が!これまでは遠くで眺めていた槍が今すぐ前に。感動!やった!

 

 

受付を済ませ、ヨタヨタしながら部屋に。今日は布団1枚に1人とのこと。ありがたい。ただトイレは2Fにしかないので不便。

  

外のテラスで自分へのご褒美のビール。500ml缶750円が高いと思わない。ドライは旨い。下から持ってきたチーズやツナをつまみにして一気に2本。(痛風心配)

気がつけば偶然、隣りの席は大分から来られたMさん。この前は岩手山、月山、早池峰山に仲間の方と登られたそう。明日は大キレットを渡り、穂高の向かわれるとのこと。年令では私よりは少し先輩だがとても健脚。いい目標ができた。退職された今は地域のために力を尽くされている。

 

5時から夕食。今夜の泊まりは280人だそうで、ほとんど1回で終わる。メニューは煮込みハンバーグだが、疲れた時には食べにくい。食事を提供してもらえるだけでもありがたいのだが、正直言って去年の涸沢ヒュッテの方がいい。

  

 

再びテラスに出るとガスが切れて槍が姿を現していた。西日が当たり、ラッキーなことに槍の横にブロッケン現象が見られた。大勢の女性がはしゃいで手を広げている。南の大喰岳が赤く焼けている。残念なことに西の空は雲に覆われ、日没の瞬間は見られなかった。

      

 

8時30分消灯。寝返りのできるスペースは十分あるが、湿度が高く、暑くて寝苦しい。膝から下が火照って眠れない。同じ姿勢でじっとしていることができず、絶えず足を左や右に動かしたり、折り曲げたりする。これの繰り返し。疲れているのに神経も興奮状態。眠れたのは12時を過ぎてからだと思う。

 

8月21日(火)

3時過ぎ、早出の人の物音で目を覚ました。4時には小屋の電気が灯った。4時30分、まだ暗いだろうと外に出てみるとそこには別世界があった。東の空にオリオンが輝き、いくつかの星が残る暗闇の中に槍の黒い影が浮かんでいた。東の空には透き通るような群青の山なみ。言葉にはできない衝撃の瞬間。ここでは1分1秒を言わず、瞬時に姿が変っていく。やがてその群青の山際がオレンジ色を帯び始め、東の水平線が赤みを増してきた。

どこから太陽が姿を現すのか、どこが撮影ポイントなのか、三脚を持って移動する。待つこと30分、東の空の雲の一部が火山のマグマのようにうごめいて見えた。その赤い点が広がり、ぽっと太陽の頭が姿を見えた。周りは歓声とシャッターの音。この数秒の時間のために重い三脚を持ち上がってきた。晴れていて本当に良かった。

    

槍に目を向けるとまだ壁に無数のライトが動いていた。それは頂上が一杯となり、順番待ちのため壁の途中で足止めになった人達。1時間以上同じ場所にいるようだ。気の毒にあの場所は裏側になるので日の出は見えなかったと思う  。

 

山岳雑誌に「槍の穂先に登るには朝食の後の時間ぐらいが、御来光を見た人達が降りるのですいている」と書いてあった。そこでゆっくり食事をした後、6時に登り始めた。本当に待ち時間なしで登れた。

鎖場の先のハシゴ場は一昨日、雷による死亡事故があったところ。雷注意報が出ているので登るのを控えるようにと小屋の人がスピーカーで注意をしていたそうだ。また昨日は女性がここまで登り、足がすくみ「怖い!」と大声で泣いていたそうである。

若いころは高いところは平気だったが、この年になると急に気を失い、ふっと手を離してしまうのではないかとこわい。岩場もしっかりホールドしながら登る。最後は30段ほどのほぼ垂直のハシゴ。下を見ないで足の位置を確かめながら一歩一歩慎重登る。ハシゴを握る手も必要以上に力が入る。

      

山頂は360度の大パノラマ。今まで遠くから憧れを持って眺めていたあの槍の上にいる感動。天気快晴、日本の有名な山がすぐ目の前にある。なんという贅沢。頑張った人だけに与えられた特権。正面には蝶ケ岳、常念。そして八ヶ岳の峰々と続く。南東には霊峰富士と北岳、濃鳥。南には大喰岳の先に北穂高山荘、奥穂、前穂。そして乗鞍の向こうに木曾御嶽もはっきり見える。遠くの西の空には白山までが見えた。山頂には10人程が思い思いに至福の時を楽しんでいたが、山に詳しい人がいて「あれが五竜、剣岳・・」と詳しく教えてくれた。カメラに収めると共に、もう来ることはできないかもしれないと思い、何度もこのパノラマを目に焼き付けた。

         

急に県警の救助ヘリが小屋に現れた。小屋の中から職員に抱えられた男性の姿が見える。どうやら昨日、足を骨折した人がいたがその救助のようだ。男性を乗せるとすぐ松本方面へ飛び立った。この間はわずか1分程。またその後20分程たってから今度は荷揚げのヘリが飛んできた。  

山頂からの景色を十分楽しみ、下山したのは7時30分。そのため小屋をチェックアウトをしたのは私がどうやら一番最後のようだった。

しっかり名残りを惜しんで、8時下山開始。コースは登りと変えて奥大山から槍平に下るコース。千丈沢乗越までの稜線からの景色は見事だった。風もさわやか。笠ケ岳や硫黄の頭、双六が目の前。

  

 

千丈沢乗越から飛騨沢に下る。奥丸山への標識は壊れていてこの山道でいいのだろうかと不安だった。このコースを下ったのは私だけだったようで、途中、一人だけ出合った男性も「このコースで人に会うとは思わなかった」と驚いていた。クマザサの中を少し下ると花畑。ラッキー。思わぬ出合いに得した気分。花の盛りの時期は過ぎていたが、何枚も写真を撮る。

  

 

花畑を過ぎ、何度も小さいピークを越え、奥丸山・槍平分岐に着いたのは11時30分だった。予定時間をかなりオーバーしてしまった。槍平小屋を目指して急な坂道を一気に下る。

12時30分、槍平小屋到着。水場で1リットルの水を飲む。昼食はラーメン。

小屋からの下山道で重いリックを背負って登ってくる何組かの学生のパーティに会った。ザックの重さを聞くと30kgだそうだ。頼もしい。このコースでは槍ケ岳山荘で見かけた今流行の山ガール達には出会わなかった。

 

小雨になった。最後の自転車を楽しみにして、気が遠くなるような長い山道をひたすら下る。石が濡れて滑りやすい。下山のスピードは上がらなった。ママチャリはゲート横にカギをかけないで置いていたが無事?にあった。リックを背負ってバランスを取りながら下る。道が悪いので尻が痛い。臭い!しばらくすると異様な匂い。自動車のようにエンジンブレーキがないため、ブレーキのゴムが悲声を上げていた。登山口から駐車場までの15分の県道も楽勝。16時20分、やっと駐車場に到着。下山には8時間20分もかかってしまった。ママチャリがなければ17時までに帰れなかったかも。登山靴を脱ぎ、サンダルに履き替えた時の解放感は何とも格別、これまでの疲れを忘れる。

日帰り温泉施設「平湯の森」で汗を流す。あれだけ汗をかき、過激な運動をしたのだから、どのくらい体重が落ちているだろうかと、楽しみにして体重計に乗ったがほとんど変化なし。がっかり。自宅まで7時間450kmの車の運転は流石に疲れた。0時30分、自宅に無事到着。爆睡!

 

花の写真は次回のブログに

 

 


2012/08
07

早池峰登山
名山旅歩記

ハヤチネウスユキソウと蛇紋岩で有名な東北の名峰「早池峰」(1917m)に登ってきました。今回は家中探したけど登山靴が見つからなかったため、ホームセンターで買った980円のズック靴での登山でした。勾配はけっこうきつく、登山道の蛇蛇岩は滑りやすいため、大変苦労しました。それでも魅力いっぱい5つ★の早池峰山でした。

 

2012年8月3日(金)

河原坊駐車場——–小田越登山口——–1合目———-3合目道標———5合目御金蔵

4:30    5:05    5:20    5:50     6:15

 

天狗のハシゴ場———剣ケ峰分岐———–早池峰山頂—————-頭垢離————河原坊駐車場

6:30      6:50   7:10  8:20  9:15     11:25

 

国定公園「早池峰登山」(小田越コース)

前夜の18時に河原坊ビジターセンターの駐車場に到着。50台も留まる駐車場には自分を含め2台だけ。うすゆき山荘(定員15名程度)は無料開放だが、今回も車中泊。ビールを飲んで睡魔を待つ。フロントガラスを網戸にするが、少々暑い。満月のためライトがなくてもトイレに行くことができる。1時を過ぎるとタオルケットでは寒い程になった。

4時起床。東北の夜明けは(岡山と比べ)早い。それでも西の空に満月が残っている。ビジターセンターの案内板を見て河原坊コースより勾配がきつくない小田越コースを選択。アスファルトの坂道を35分かけて小田越まで歩く。

小田越登山口にはすでに5,6人の登山者。ここには駐車場がないのでおそらく民宿の車で送ってもらったようだ。5時5分、登山開始。

最初の500m程はクマザサの中の木道。それからはトドマツの樹林帯が続く。

登り始めて15分で1合目到着。標識を見れば小田越から0.9km,山頂までは1.9kmとある。まだまだこれから。

1時間ほどトドマツの樹林帯を登りきると視界が開ける。見上げれば朝焼けの巨岩が姿を現す。見下ろせば見事に広がる雲海に朝日が輝いている。シャッターチャンスの連続で、なかなか先に進めない。

振り返ると薬師岳が雲海から頭半分、姿を見せる。

 

3合目の道標、5時50分。見上げる景色は岩の様子がどこかトムラウシに似ている。

 

6時15分、5合目御金蔵。このあたりはハイマツと岩とのコントラストがとてもきれい。

6時30分、天狗の滑り岩のハシゴ場。短い距離だが慎重に登る。

 

6時40分、8合目。

6時50分、剣ケ峰分岐。ここから山頂までは高度差のない稜線の湿地帯でお花畑になっている。山頂は目の前。

7時10分山頂到着。

山頂には避難小屋や早池峰神社奥宮の小さい祠があり、けっこう広い。快晴の山頂から、雲海を見下ろす。遥か西には岩手山が見える。さらにその後方には鳥海山。360度のパノラマ、正に至福の時。足元の雲が早く流れる。

先客はGさんという男性が1人だけ。Gさんに記念の写真を撮ってもらう。Gさんは東京から故郷の宮城に戻り、時間を作っては復興支援のボランティアを続けているとのこと。今回もガレキ処理をした後の登山だそうだ。頭が下がる。

しばらくすると人が増えてきた。この山は私のような年代が多い。夫婦連れも多い。

1時間があっという間に過ぎる。名残りは惜しかったが8時20分下山開始。ハヤチネウスユキクサやチングルマ等の花の撮影。登りより時間を取られる。

 

蛇紋岩が風化して滑りやすく、ズック靴にはきつい。一歩ずつ慎重に下る。奇岩「打石」9時15分。

コメガモリ沢の川に手をつけると冷たくて気持よい。だんだんガスってきて視界がなくなった。山登りはやはり夜明け共にスタートしなければもったいない。トドマツ林の中をひたすら河原坊目指して下る。

写真撮影に時間をとられ、11時25分、やっと河原坊到着。駐車場には出発時にはなかった車が20台ほど停まっていた。この後、北上山地を横断して宮古市に向かったがとんでもない山道だった。

 

 


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